断熱材の厚み計算と圧縮時の実効熱抵抗値
壁体内の狭い空間や筋交い、配線周りでグラスウールなどの断熱材を潰して押し込んだ場合の実効的な断熱性能を試算する無料Webツールです。一般的な断熱材の厚み計算では非圧縮状態が前提とされますが、本ツールでは圧縮充填された際の実効熱抵抗値や低下割合を即座に算出します。登録やインストールは不要で、すべての計算はブラウザ上で行われます。
壁空間の深さと断熱材の指定厚さを入力するだけで、圧縮されたグラスウールの実効熱抵抗値と性能保持率を即座に算出します。
壁深さと断熱材の仕様を選ぶだけで実効R値を試算できます。
圧縮断熱材R値計算ツールを使う →圧縮断熱材R値計算ツールの使い方
操作はシンプルで、指定の数値を入力するだけで結果が自動更新されます。
- 断熱材の仕様選択: 使用するグラスウールの密度(16K、24K等)と製品の指定厚さ(mm)を選択または入力します。
- 壁深さ(柱の見込み)の指定: 軸組工法(105mm/120mm)や2×4工法(89mm/140mm)などの標準躯体寸法、または実際の壁体内空間の深さ(mm)を入力します。
- 計算結果の確認: 圧縮後の実効熱抵抗値(m²・K/W)、失われた熱抵抗値、および本来の性能に対する保持割合(%)が即座に表示されます。
断熱材の熱抵抗値計算の基本公式と単位
断熱材の断熱性能を表す熱抵抗値(R値)は、材料の厚さ d(m)を熱伝導率 λ(W/(m·K))で割って算出します。日本の建築基準やJIS規格(JIS A 9521)では、単位として m²·K/W が使用されます。
通常の非圧縮状態であれば断熱材の熱抵抗値計算は単純な割り算で求められますが、壁体内で押し潰された場合は厚さが減少し、内部密度が上昇するため熱伝導率もわずかに変化します。
熱伝導率と断熱材の厚み計算による性能変化の理由
グラスウールを狭い壁空間に潰して押し込むと、繊維が密になるため熱伝導率と断熱材の厚み計算上の単位厚さあたりの性能はわずかに向上します。しかし、厚さ自体の減少による悪影響がそれをはるかに上回るため、トータルの熱抵抗値は大幅に低下します。
施工条件によっては本来の断熱性能が40%近く減少することもあります。本ツールは、このような圧縮充填時の性能落ちを把握し、適切な施工計画を立てるための目安を提供します。
本ツールの対応範囲と現場での注意点
本ツールは日本国内で一般的に流通しているグラスウール製品(10K・16K・24Kなどの密度およびミリメートル単位の指定厚さ)と、標準的な木造躯体寸法(軸組工法・枠組壁工法)に対応しています。
なお、厳密な外皮計算や省エネ適合性判定においては、各断熱材メーカーが発行する個別の圧縮性能データや仕様書が優先されます。現場での施工可否や設計計算の参考数値としてご活用ください。
よくある質問
グラスウールを潰して押し込むと断熱性能は落ちますか?
はい、落ちます。グラスウールを圧縮すると高密度化により単位厚さあたりの性能はわずかに向上しますが、厚みが減る影響が圧倒的に大きいため、トータルの熱抵抗値(R値)は大幅に低下します。
100mmのグラスウールを50mmの壁空間に詰めると熱抵抗値はどうなりますか?
厚みが半分に圧縮されるため、熱抵抗値は元の値から大幅に減少します。高密度化による相殺効果はわずかであり、本来の断熱性能の半数近くを失うことになります。
断熱材の熱抵抗値(R値)の計算方法を教えてください。
熱抵抗値(m²・K/W)は「断熱材の厚さ(m)÷ 熱伝導率(W/(m·K))」で計算します。たとえば厚さ100mm(0.1m)、熱伝導率0.038W/(m·K)の場合、熱抵抗値は約2.63m²・K/Wとなります。
2x4や2x6の壁に最適なグラスウールの厚さは何ミリですか?
2×4工法(壁深さ89mm)には89mm前後の専用断熱材、2×6工法(壁深さ140mm)には140mm前後の専用断熱材が適しています。壁深さに合った厚さを無圧縮で充填するのが最も効率的です。
グラスウールの密度(16K・24K)と厚みの違いで断熱性能はどう変わりますか?
密度(16Kや24Kなど)が高いほど繊維が細かく熱伝導率が小さくなり、同じ厚さでも高い熱抵抗値を得られます。一方で全体の熱抵抗値には厚さの影響も大きいため、密度と厚さの組み合わせで全体の性能が決まります。
筋交いや配線で断熱材が潰れた場所の実効断熱性能はどう計算すればいいですか?
潰されて薄くなった部分の実効壁深さを測定し、本ツールに入力することで圧縮後の実効熱抵抗値を計算できます。
厚い断熱材を圧縮して入れれば断熱材の量を増やせて性能が上がりますか?
上がりません。断熱材の量を増やして押し込んでも、壁の厚みが制限されている場合はトータルの熱抵抗値が下がってしまいます。壁深さに適合する厚さの製品を正しく施工するのが効果的です。